六本木少女地獄

 

現役女子高校生による、戯曲集です。

著者の原くくるは高校中退後、チャレンジスクールである都立六本木高校に入学して3人しかいない演劇部に入部。表題作の脚本、演出、出演をつとめ、都演劇コンクールで教育委員会、関東高等学校演劇研究会で優秀賞などを受賞して注目され出版に至ったという話題の作品です。

 

星海社のサイト「最前線」で無期限無料で表題作全文を掲載、ウェブ上で読んでみました。

物語はいくつかの設定が入れ子に絡み合って進みます。

六本木で出会う家出少女と不登校少年、両親不在の姉弟、想像妊娠する少女と家族など、くるくると場面転換しながら、それぞれの関連が明らかになってきます。

 

適度なギャグや、いまどきな会話、テンポの早い展開など、笑いの要素がふんだんにありながら、家族、身体、性などに関わる若者の深刻な悩みも徐々に浮き彫りになっていく、その“物語感”とでもいうようなものに、正直圧倒されました。

 

ここ何年間か高校演劇を見る機会があり、上手いとか、いい作品というのもあったもののやはり「高校生の演劇」という枠をまず感じる気がします。しかしこの作品はそういった括りの一切ない、突き抜け感がありました。これを高校生3人でどう演じたのか、見てみたかったですねー。

朝日新聞のインタビューで「自分のいるところだけを世界だと思っている人に、違う見方を提示したい」「同世代に読んでほしい」と著者が語るように、上の世代が面白がるより、ティーンズが読む機会ができるといいな、と思います。

(神谷巻尾)

『六本木少女地獄』

原くくる/著 竹/イラスト 

星海社 2011年8月