トワイライト1 愛した人はヴァンパイア

前回ニャン左衛門さんが「スカイエマさんの挿絵作品から探した」と書いていたので、挿絵切りで読んでみた本を選んでみました。表紙、挿絵がゴツボ×リュウジさんイラストの『トワイライト』です。


ゴツボ×リュウジさんは漫画家ですが、YA作品では伊藤たかみ『ぎぶそん』の表紙が印象的でした。児童書でも秋木真『ゴールライン』、はらだみずき「サッカーボーイズ」シリーズの角川つばさ文庫版など、よくみかけます。今の児童新書主流のラノベ風イラストよりはもう少しすっきりして青年漫画タッチの絵柄がシャープな印象です。『トワイライト』は単行本全13冊のイラストを手がけていますが、装丁含みかなりお洒落です。

さて、この小説は全世界で7000万部突破というヴァンパイア・ロマンス。「ハリー・ポッター」シリーズに次ぐ人気シリーズで、アメリカではティーンズの女の子に熱狂的に支持されているそうですが、日本ではそこまでではないでしょうか。しかし「転校してきた女子高生と、謎の美少年(しかも吸血鬼?)との恋」というのは期待するに十分な設定。現代的なアメリカの高校生ライフと、土地に根付く伝説や風習、超常現象などが混ざりあい、展開もミステリアスで新鮮に読めました。背景とストーリーに没頭してぐんぐん読む、というエンターテインメント小説の醍醐味を味わえそうです。

最近女の子が読む本は、身近だったり共感できる内容が人気のようですが、全く違う文化モノに手を出すきっかけとして、いいシリーズなのでは、と思います。自分の車で通学とか、ダンスパーティーの相手を女子から申し込むなどのも面白いですし、逆に恋愛のことばっかり考えているのは万国共通なんだな、とほほえましかったり。人間と吸血鬼のロマンスから始まる壮大なサーガ、というとファンタジー好き以外は手にとらないかもしれませんが、この表紙の印象で、かっこいい恋愛モノ、と思って読んでみるのもあながち間違いではない気がします。

(神谷巻尾)


『トワイライト1 愛した人はヴァンパイア』

ステファニー・メイヤー/著 小原亜美/訳 ゴツボ×リュウジ/イラスト

ソニー・マガジンズ 2005年8月