「YA*cafe」に参加しました

 作家の梨屋アリエさんが主宰する読書会「YA*cafe」に参加してきました。

 YA*cafeは、“YA作品を読む人、YA作品を知りたい人が、誰でも参加できる読書会”として2010年12月にスタート。2ヶ月に1回テーマの本を読んで集まり、感想を話しあったり、おすすめのYA作品を紹介するという会です。面白そう!と思いつつタイミングを逃していましたが、4回目にしてようやく参加することができました。

 今回のテーマ本は、ドイツの作家、グードルン・パウゼヴァングの『みえない雲』

 ドイツの原子力発電所で爆発事故が発生、弟と2人家に残された14歳の少女の、過酷な避難生活を描いた作品です。

 

 チェルノブイリ原発事故翌年に発表され、ドイツ児童文学賞も受賞したこの作品は、日本でも児童書として刊行されました。本国では教材として使われたり、コミック版も出るなど20年以上読み継がれては、2006年に映画化、日本での公開に併せて文庫版が出ました。そして今回の大震災と福島第一原発事故を受け、あらたに訳者あとがきが加筆された文庫が6月に刊行しています。

 

 帯に「3.11以降の日本、いまこそ読みたいこの1冊」とありましたが、読後確かに実感しました。放射能の恐怖にパニックに陥る人々、錯綜する情報、被爆の影響などこの作品で描かれる世界はかなりショッキングで、原発事故の影響下にある今、胸に迫るものがあります。参加者のあいだでも、自然と今回の事故や原子力発電について、電力需要と経済発展について、と会話が発展していきました。内容についても、主人公のヤンナ–ベルタの感情の起伏や、とりまく大人たちが象徴するものについてなど、みなさん丹念に読み込まれていて、勉強になりました。

 読書会というものの自体初体験でしたが、なかなか手に取ることのない本に出会う、という楽しみを味わえました。高校生から60代と、幅広い年代の方と同じ本を通して話し合うというのも新鮮でした。今回の関連書籍や、最近読んだおすすめの本、今後取り上げたい本についても盛り上がり、こちらも参考になりました。teensbooksでも紹介していければと思います。梨屋さん、参加のみなさん、ありがとうございました!

 

 次回は10月30日とのこと。興味ある方は、ぜひどうぞ!

(神谷巻尾)