吉永さん家のガーゴイル

本作はファミ通文庫というレーベルから出ているライトノベルのシリーズです。

ある日、吉永さん家の双葉ちゃんは商店街の福引で、言葉を話す犬の石像を引き当てました。その石像は、錬金術の技術を結集して作られた“最強の門番”で、吉永家に来るなり自らガードマンを買って出ます。

 

石像は、吉永家で“ガーゴイル”と名づけられるのですが、新聞配達のお兄さんをビームで黒焦げにしたり、いろいろとトラブルを巻き起こして、引き当てた当の双葉ちゃんからは厄介者扱いされてしまいます。また、錬金術最高の技術の結晶であるため、さまざまな錬金術師がガーゴイルに挑戦してきて、毎回騒動が引き起こされるといった内容が基本的なストーリーになります。

ライトノベルというと、最近は「冴えない男の子のもとにある日とつぜん美少女があらわれて~」というものが主流になってる印象ですが、「ご町内ハートフルコメディ」と題された本作は、どちらかと言えば児童書の娯楽作品に近い内容で、登場人物たちも美少女なんかに偏重せず、吉永家の面々をはじめ個性的でユニークなキャラばかりです。子どもも楽しめるというか、むしろ子どものほうが楽しめる内容になっています。

実は、本作は2006年にアニメ化もされていて一部では評価の声も高いのですが、放送が深夜帯であったためか、あまり人気が出なかったという印象でした。近年は、ライトノベルでも深夜のアニメでも、いわゆる“大きなお友だち”向けの作品ばかりが受けていて、こういった内容の作品があまり評価されないのをとても残念に思っています。

シリーズは全15巻で、姉妹作品の「ガーゴイルおるたなてぃぶ」が全4巻+1巻。どちらも、子どもに読んでもらいたい良質な娯楽作品です。アニメ版と合わせて、オススメさせて頂きます。

(すがり)

『吉永さん家のガーゴイル』田口 仙年堂/著 日向 悠二/イラスト  エンターブレイン(ファミ通文庫)2004年