C&Y地球最強姉妹キャンディ 大怪盗をやっつけろ!

 怪盗を敵に回して子供たちが大活躍! という話は少年探偵シリーズの昔から数多くありますが、本作ほど破天荒でかつ子供たち自身が大活躍する物語はそうそうありません。


 主人公は、11歳にして大学で先生をしている世界一頭のいい女の子、竜崎知絵と、抜群の運動神経とサバイバル能力を持つ地球最強の女の子、虎ノ門夕姫です。

 ふたりは親の再婚で姉妹となるのですが、そうとは知らずに出会った当日、知絵は自らの新発明を怪盗アラジンに狙われ、車で誘拐されてしまいます。 その場に居合わせた夕姫は、なんとローラースケートで追跡を開始! 序盤早々、手に汗握るアクションシーンが展開されます。

 

 敵役であるアラジン配下の悪人トリオは、ちょっとおマヌケでどこか憎めないタイムボカンシリーズを彷彿とさせるキャラクター。アラジン自身も、怪人二十面相に負けず劣らずのユニークな怪盗です。

 

 アラジン一味は何度も知絵の誘拐を企て、物語はどんどんスケールアップしていきます。やがてアラジンの真の目的を知った知絵と夕姫は、C&Y――キャンディを結成して、アラジンの企みを阻止すべく敢然と立ち向かいます。

 とにかく全編に渡ってハラハラドキドキの連続で、マンガやアニメを見ているような楽しさいっぱいの冒険ストーリーになっています。390ページとボリュームがありますが、そんな長さを感じさせないくらい、物語もキャラクターも魅力に溢れています。ハリーポッターなどと同じく、子供たち自身が読みたいと思えるような作品としては最良の一冊だと思います。 


 作者の山本弘さんは本作を自分の娘に読み聞かせるために書いたそうですが、なんとも幸せな娘さんです。子供に読書への興味を持ってもらいたいなんて思っている方、「C&Y 地球最強姉妹キャンディ」なんていかがでしょうか。

(すがり)

 

『C&Y地球最強姉妹キャンディ 大怪盗をやっつけろ!』山本弘

角川グループパブリッシング(銀のさじシリーズ) 2008年