フランクリン

 イギリスの植民地だったアメリカが独立して「自由平等な国」が生まれました。どうして「王様が支配する国」から「民主主義の国」が生まれたのでしょう?それは……

 

アメリカ建国=独立の立役者の一人、ベンジャミン・フランクリン(17061790)がスーパー科学者だったから

 

なのです。「科学」と「民主主義」、この二つは実は切っても切れない関係なんですね。真実を追究する「自由」がない社会では「科学」は発達できないからなんです。

 

 貧しい家庭に生まれたフランクリンはアイデアマンで、次々に商売や商品を思いつき、スーパー実業家になるのですが、さっさと自分の商売を従業員に譲って、本当にやりたかった科学研究の道に進みます。優れた科学者として国際的に有名なったフランクリンはアメリカが危機に陥るたびに政治家として担がれて、嫌々ながらイギリスやフランスに交渉に行かされます。

 

 そして交渉のたびに科学者らしい「画期的な政治発明」をして危機を切り抜けます。特に圧巻なのが、独立したばかりのアメリカで州ごとの意見がまとまらず、あわやバラバラになりかけた時にフランクリンが発明した2つのシステムです。

 

フランクリン、すげー!

 

って、ワクワクしてしまいます(笑)。そしてそれは物語の世界ではなく、本当に歴史上に起こった事実なんですね。

 

 学校が気に喰わない、親が気に食わない、日本が気に喰わない。若い頃は不満がいっぱいです。でも、そんな時、この本を読んだら「スカッ」とすること請け合いです。

 

 ベトナム戦争やイラク戦争をしたり、進化論を学校で教えないようにする州があったり、サブプライムローン問題で世界経済を混乱に陥れたりと、近頃では嫌われがちなアメリカですが、この本を読めばフランクリンが作った国だからと見直したくなります。「もっとフランクリンの精神に戻ってほしいな」とも思います。そして英語の勉強もちょっとだけ苦痛じゃなくなるかもしれません。 

 

 電気の実験の箇所が多少、小中学生(大人にも?)には難しいので「飛ばして」読んでも構いません。残念なことに今は品切れになっていますが、図書館にはありますし(図書館はフランクリンの発明品です!)、インターネットのgoogleブックスでも全文が読めます。

 

日本で唯一のフランクリン伝記。是非親子で読んでみてください。

(山本文子)

 

『フランクリン』

板倉聖宣 著

仮説社/やまねこ文庫  1996年(絶版)