2010年

9月

15日

芋粥

 

 今、アイスバーが食べたいとは思いませんか? ソーダ味で、中にラムネが入っているようなやつが。

 もし食べたいと思ったのなら、今すぐ、それが無理でも今日中にはコンビニへ買いに行くことをおすすめします。長い間の夢が叶うのが必ずしも幸せだとは限りませんから。

 

 ぼくがおすすめする芥川龍之介『芋粥』という話は、そんな話です。

 平安時代のとある侍が主人公なのですが、彼は貧弱な性格と見た目から仲間たちからバカにされています。そんな仲間からの嫌がらせにただおどおどしている彼にも、一つだけどうしても叶えたい夢がありました。

 それは、芋粥をお腹いっぱい食べてみたいというものです。芋粥というのは山芋を甘く煮たもので、当時では貴重なものだったため、主人公のような対してくらいの高くない侍には、ほとんど口にすることが出来ないものでした。

 

 しかしある日ひょんなことからその夢が実現してしまいます。けれど結末は、決して幸せなものではなかったのです。

 

 この話はあまり長くなく、主人公の気持ちにも共感しやすくて、とても読みやすい作品です。軽い気持ちで読んでみてください。きっと心に残る話になると思います。

 

(小林兆太/中三)

「芋粥」芥川龍之介 1916年

 

『羅生門 鼻 芋粥 偸盗』所収(岩波文庫)

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