2012年

12月

10日

角川つばさ文庫版『新訳 飛ぶ教室』

 

 

不朽の名作がこんな表紙絵ですよ! 


名作文学の新装版が出た場合、図書室にすでに入っている作品であってもできるだけ購入するようにしています。理由は、内容はいいのに古いと言うだけでなかなか手に取ってもらえないからです。もちろん、外見に惑わされず読む子もいますが、ちょっとでも興味を持ってもらうためには手を出してもらいやすい見た目を選ぶのも大事ですね。出会いの手段です。

中身は間違いなく面白いんですから。

 


しかも、訳が那須田淳さん。那須田さんの書いた児童書も好きなので、期待して購入しました。


でも、こうしてレビューを書いてる今、まだ私は読めていません。陳列するなり、借りられていき・・・返されたと思ったら次の子が借りていき・・・という繰り返しで書架で休んでいる暇もない有様です。


私はいつになったら読めるのかしら・・・。

 

内容についてのことも書かねば。

 

ドイツの寄宿学校を舞台にした、少年たちの友情と先生たちとの心温まるやりとりなど・・・今の時期に読むとより楽しめる作品だと思います。

(ニャン左衛門)

 

『新訳 飛ぶ教室』

エーリヒ・ケストナー  訳: 那須田淳, 木本栄   イラスト:patty 

角川つばさ文庫 2012年9月

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2012年

7月

15日

エドガー・ソーテル物語

 

何かの書評で紹介されていて図書室に購入したのだと思うけれど、何で読んだかはさっぱり覚えていない・・・(笑)


それはさておき。

辞書並の分厚さにまずひるみます。でも、表紙に描いてある少年と犬の絵からして、面白そうなオーラが立ち上っている気がして、手に取ってから読み始めるまでの時間が短かったです。

 

 

 犬!


まず一番の読みどころは、ワンコたちの描写でしょう!ワンコ好きの人にはたまらない。特に、大きめの犬が好きな人は避けて通れないと思います。


主人公の少年エドガーは、生まれつき声が出ない(耳は聞こえる)のですが、可哀想なところはまったくありません。・・・あるシーンでは、声が出ないことが障害になるけれど、出ていても事態が変わったとも思えないので、やっぱり可哀想ではないと思います。

ネタバレにならずに面白さを伝えようとするとうまくまとまらないのですが、とにかく少年と犬の交流に萌え、涙しました。最後の方のとある一章は最初から最後まで泣きどおしでした。「泣ける!」という宣伝の仕方は嫌いですが、私は泣きました。今、思い出しただけでも泣けます。

ちなみに、訳者は金原瑞人さん。翻訳モノが苦手な私ですが、金原さんの訳は読みやすいので物語の世界に楽に入っていけます。

2012年のベスト本に今から入れたいと思います。

(ニャン左衛門)

 

エドガー・ソーテル物語 

デイヴィッド・ロブレスキー著  金原 瑞人訳 

NHK出版 2011年8月

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2012年

2月

02日

くちびるに歌を

ホラーやファンタジー小説が人気の乙一さんの別名義である中田永一の作品です。

長崎の五島列島にある中学校の合唱部を舞台にした爽やかな青春小説。


やられました。


登場人物が方言で会話するのも、なんだかとても素朴でよかったし、合唱部の活動についてもリアリティがあって素晴らしかったです。

 

恋の話もからみますが、嫌味じゃなく邪魔じゃなく(←私は恋愛小説はまったくと言っていいほど読みません)、とにかく清清しいですね。


また、課題曲の「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなんで十五年後の自分に向けて手紙を書く課題があり、ある少年が書いたその手紙に泣かされました。

 

いい本読んだな~と思える作品でした。


残りの予算で図書室に入れられたら、生徒達にもぜひPUSHしたいです。

『くちびるに歌を』

中田 永一 著 小学館  2011年11月

 

 

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2011年

9月

07日

テッドがおばあちゃんを見つけた夜

 

勤務している中学校の図書室で購入しようと、スカイエマさんの挿絵作品をあれこれ読んでいるときに出会いました。

 

主人公のテッドは中学1年生で両親とアルツハイマー病のおばあちゃんと4人で暮らしています。ある日、両親が不在でおばあちゃんと留守番をしていたテッドが、ネコの餌やりを頼まれ隣家の納屋に行くと、そこにいたのは見知らぬ怪しい男! その風貌は町で起こった銀行強盗の犯人にそっくり!!

テッドはおばあちゃんを残して連れ去られてしまいます。

テッドは何度も脱出を試みますが、逃げ出すことができません。

自分の身の危険もあるし、残してきたおばあちゃんのことも気にかかるし・・・と、ハラハラドキドキの展開です。


テッドの、大好きだったおばあちゃんが変わってしまったことへの戸惑いだとか苛立ちだとか複雑な気持ちも読んでいると胸に迫るものがありました。

   (ニャン左衛門)

 

『テッドがおばあちゃんを見つけた夜』

 ペグ・ケレット 徳間書店 2011年5月

冒険モノでもあり、ミステリーでもあり、それから家族モノでもある、良作じゃないかなと思います。

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2010年

12月

23日

【特集:今年のベスト本】『くつやのねこ』

 「長靴をはいた猫」を下敷きにした絵本です。

 

  繊細で可愛らしい絵が印象的です。 貧しい靴屋と暮らしているネコがその知恵を働かせて、何にでも変身できる魔物から靴の注文をとりつけますが、代金を払ってもらえなくて・・・。  話は単純ですが、クライマックスの絵が衝撃的です。

 

『くつやのねこ』

いまいあやの BL出版  2010年5月

 

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2010年

12月

16日

【特集:今年のベスト本】 『僕とおじいちゃんと魔法の塔』

 

 香月日輪 最高のエンタメです。 

 主人公に成長がない?・・・いいんです。そーゆー話ではないのですから。 とんでもない人間(人間外)が繰り広げるやりたい放題の物語ですもの。 いや、主人公の龍神も第1巻でちゃんと成長します。

 

 でも、2巻以降は個性的なキャラたちに押されて透けてきます(笑) そして、この本も『妖怪アパート』とリンクしています。 ちなみに、この本を同じ学校の40代の栄養士に貸したら面白くて10回読み返したそうです。

(ニャン左衛門)

『僕とおじいちゃんと魔法の塔』①〜③

香月日輪 /著  角川文庫  2010年

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2010年

7月

27日

漂泊の王の伝説

 外国の作品をあまり好まない私が近年特に気に入った本です。

 スペイン人作家による砂漠の国を舞台にしたアラビアンナイト風のファンタジーです。

 

 主人公はキンダ王国の王子ワリード。

 「若くて、端正で、りりしくて、寛大で、分別があり、聡明で、、勇敢で、すぐれた戦士というだけでなく、教養人でもあった」と作中に書かれているとおりに完璧クンです。

 

 そんなワリードが情熱を傾けて、自信を持っているのが「詩」でした。 ほかの誰よりも優れた才能を持っていると自信満々ですが、詩のコンクールを三度開き、三度とも身分の低い貧しい絨毯織りの男に完膚なきまでに負け、プライドも打ち砕かれたことで、ワリードと絨毯織りの男に苛酷な運命の輪が回り始めてしまうのです。

 プロローグで、ワリードが命の危機にさらされている場面から始まるので、私はバッドエンドに繋がる展開ばかりをつい考えながら、ドキドキこわごわ読み進めていきました。

 

 また、ワリードが転落し漂泊するまでの話が全体の三分の一ぐらいなので、そこもまた苦しい。小心者なので(笑) 父である王が、死ぬ間際に言って聞かせる言葉も心に残りました。


 「われわれはみな、自分のすることに責任がある。よい行いにも悪い行いにも。そして、人生はかならず、おまえのした分だけ返してよこす。忘れるなよ。人生はそのつぐないをさせるということを。」

 でも、ワリードはこの時点では理解してなかったんですね。

 

 やがて漂泊することになるワリード。

 盗賊、牧人、愛すべき女性、富豪などに出会い、その中で成長し変わっていきます。

 やはり、児童書は主人公が成長しなきゃ、と思います。 


 最近の作家であり、訳者の解説によると日本の漫画やアニメが好きということで・・・。だからなのか、読んでいて情景が頭に容易に浮かんできました。アニメかラジオドラマになったら良さそうな感じです。私は見たい(聴きたい)です。

(ニャン左衛門)

 

『漂泊の王の伝説』ラウラ・ガジェゴ ガルシア

偕成社 2008年

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2010年

6月

14日

ともだちくるかな

絵本です。
小学生も高学年になると絵本を読まなくなります。「絵本は小さい子が読むもの」と思い込んでいるようです。

でも、普通に子供向けに描かれている絵本でも小さな子だけに読ませておくにはもったいない本がたくさんあります。
大人向けとか「感動の絵本」「泣ける絵本」なんていわれる本よりもずっと面白くて心に響く絵本もあるので、固定観念を取っ払っていろいろ手を出してほしいなと思います。

この本はキツネとオオカミの「ともだち」シリーズの中の一冊です。『ともだちや』で始まった友だち同士。
今回はオオカミが誕生日ということで、友だちのキツネが訪ねてくるのを信じて楽しみにしています。でも、待てど暮らせど来ない。すっかり悲しくなったオオカミは・・・

色がはっきりしていて可愛い絵がとても魅力的で、毎回変わるキツネのファッションも楽しみどころです。

シリーズはどれも面白いのですが、個人的にはオオカミの初恋話の『きになるともだち』はイマイチです。あくまで個人的には、ですが。
なので、勤めている図書室に寄贈しちゃいました(笑)
最新刊の『ともだちごっこ』もどうだろう?と思いましたが、平気でした。

                                  (ニャン左衛門)

 

『ともだちくるかな』

内田麟太郎・作 降矢なな・絵

偕成社 1999年2月


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2010年

5月

27日

妖怪アパートの幽雅な日常 

 

Q&Aサイトなどで「オススメの本はないですか?」という質問を見るたびに、まっさきに紹介しているYAです。レーベルの対象は中高生ですが、大人が読んでも小学生が読んでも楽しめる作品だと思っています。

 

主人公は1巻の時点で高校に進学したばかりの男子高校生・稲葉夕士。ひょんなことから「妖怪アパート」と呼ばれているあやしげなアパートで生活をすることになる。

このアパートの住人は一癖も二癖もあるような人間とか・・・妖怪など。夕士の常識はあっという間に木っ端微塵。

 

妖怪アパートという題名や、実際に妖怪やら幽霊やらが登場するけれど、決しておどろお

どろしいホラーファンタジーというわけではない。どちらかというと人情モノ? 明るく楽しい青春小説だと思います。
たくさんの登場人物も個性的で魅力的。


『妖怪アパートの幽雅な日常』 香月日輪著 

講談社 YA! ENTERTAINMET(全10巻)、講談社文庫

 

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